民事司法懇のキャッチコピー
民事司法部

民事司法を利用しやすくする懇談会(民事司法懇とは)

設立趣意

 司法制度改革推進計画が閣議決定されてから10年が経過しました。この間、私たちは、司法の機能を充実強化し、国民が身近に利用することができ、社会の法的ニーズに的確に応えることができる司法制度を構築していくため、各々の立場とその利害を超えて、この改革に共に取り組んで参りました。

 具体的には、法科大学院制度の発足、日本司法支援センター(法テラス)の設立、そして裁判員裁判の導入が改革の主な柱でした。法科大学院制度は、質・量ともに充実した法曹を養成するための中核的な教育機関として創設され、社会人や法学部以外の出身者などを含め8000人を越す法曹を輩出しています。また、日本司法支援センターの設立は、被疑者国選弁護制度を確立し、民事法律扶助事業を国の事業として位置付けることにより、司法アクセスについて、形式的な保障から、実質的な保障へと転換させる大きな契機となりました。そして裁判員制度の導入は、刑事司法に対する国民の理解と信頼を向上させるものとして、司法への国民的基盤を提供するものとなっています。これらの改革については、10年間の実践を踏まえ、その問題点の改善へ向けた更なる取組も進められているところです。

 しかし、民事司法分野に関しては、労働審判制度の導入、知的財産高等裁判所の設置、提訴手数料の引下げ及びADR法(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律)の制定など一定の改革が実現したものの、その成果は、必ずしも国民に広く実感されるものとはなっていません。2011年に民事訴訟制度研究会が実施した「日本の民事裁判制度に関する意識調査」によれば、日本の民事裁判制度が国民にとって利用しやすいかという質問に対して、「強くそう思う」、「少しそう思う」という肯定的回答が依然2割強程度にとどまっています。また、司法制度改革以来、いわゆる過払い金訴訟を除くと、民事訴訟の利用件数は頭打ちとなっています。
 このように、民事司法が国民のニーズに十分応えられていない現状は、裁判制度をはじめ、民事司法分野の改革に関して、多くの手付かずの課題、積み残しの課題があることに大きな原因があると考えられます。
 例えば、民事司法へのアクセスを拡充して身近で利用しやすいものにするためには、提訴手数料のなお一層の低・定額化や法律扶助の抜本的充実、弁護士費用の在り方及びその情報提供、弁護士費用を保険でカバーできるようにするインフラの拡充・整備等が検討課題として挙げられます。
 民事訴訟制度に関しては、納得できる裁判の前提としての証拠収集手続の在り方、執行制度の改革が喫緊の検討課題であり、また多数の被害者救済のための集団訴訟制度の構築がすでに立法課題として上がっています。事件数が増加し、また当事者に十分な手続的保障が求められている家事事件の充実も重要な検討課題です。
 行政訴訟の分野でも、一定の範囲で国民の権利利益の救済範囲の拡大が図られるなどの成果がありました。しかし、原告適格の拡大その他改正事項の再検討のほか、行政立法・行政計画の司法審査、裁量に関する司法審査、特定個人の利益に還元し難い集団的利益を保護するための団体訴訟制度など、検討すべき課題は多数に上っています。
 そして、これらの改革を支える人的物的基盤の整備については、民事司法の中核を担う裁判所の裁判官や書記官の増員、物的施設の拡充、裁判官の常駐化を含む裁判所支部の拡充、当事者代理人である弁護士の専門性の強化等、さらには、行政訴訟を含む民事司法の分野での国民の司法参加も重要な検討課題です。

 司法制度改革が目指した法の支配が隅々に行き渡る社会の構築、そのために利用しやすく頼りがいのある公正な民事司法の実現を実感できるものとすることが、私たちの共通の課題です。私たちは、そのような認識に立って民事司法の分野において積み残された課題を整理し、国民の法的ニーズに応えるには何をなすべきかを、国民各方面の意見を聴いて真摯に検討した上で、関係諸機関に対し民事司法改革諸課題について問題提起と提言を行うことを含め、改革の実現に向けた取組を進めるべく、「民事司法を利用しやすくする懇談会」をここに設立します。

2013年(平成25年)1月24日

【設立趣意PDF】

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運営についての申し合わせ

2013年(平成25年)1月24日

民事司法を利用しやすくする懇談会 設立懇談会決定

1 名称
 この懇談会は、民事司法を利用しやすくする懇談会(以下「懇談会」という。)と称する。

2 目的
 懇談会は、民事司法改革の必要性とその方向性について、各界及び各層からなる委員によって真摯に議論を行い、関係諸機関に対し民事司法改革諸課題について問題提起及び提言を行うことを含め、改革の実現に向けた取組を推進することを目的とする。

3 組織と運営
(1)懇談会は、学識経験者、経済諸団体から推薦された委員、労働諸団体から推薦された委員、消費者諸団体から推薦された委員、日本弁護士連合会から推薦された委員で構成する。また、懇談会には,オブザーバーの参加を求めることができる。
(2)懇談会に議長を置き、委員の互選によりこれを定める。議長に事故があるときは、あらかじめ議長の指名する委員がその職務を代行する。
(3)懇談会に、運営会議を置く。運営会議は運営委員で構成され、運営委員は、懇談会の委員から選出する。運営会議は、懇談会に提出する原案の作成、議題及び進行等の運営に関する事項を検討し、懇談会に提案する。
(4)運営会議は必要に応じて幹事を置くことができる。また、運営会議には、必要に応じて部会を置くことができる。部会は、委員及び幹事で構成し、諸課題について集中的な検討を行い、運営会議に提案する。
(5)懇談会に、事務局を置く。懇談会は、事務局を日本弁護士連合会に委託し、日本弁護士連合会は、懇談会の事務に必要な事務局員を派遣し、運営に伴う経費を支出する。

4 議事
(1)懇談会の議事は、出席した委員の過半数をもって決する。
(2)懇談会の議事は、公開とする。懇談会を開いたときは、議事録を作成し、会議の配付資料とともに、これを公開するものとする。
(3)本申し合わせに定めるもののほか、懇談会の議事に必要な事項は、議長が懇談会に諮って決める。

5 存続期間
 懇談会の存続期間は、この申し合わせの施行の日から目的達成までとする。

【運営についての申し合わせPDF】

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設立の背景事情

設立の背景事情のチャート図

【設立の背景事情のチャート図】

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設置の概要

設置の概要のチャート図

【設置の概要のチャート図】

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連絡先

民事司法を利用しやすくする懇談会事務局
 事務局委託先:日本弁護士連合会 法制部法制第一課
            TEL 03-3580-9893
            FAX 03-3580-9920

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